二十四節気

 

秋分
<9月23日>

しゅうぶん
二十四節気のひとつ。太陽暦では9月23日頃にあたる。太陽の黄経が180度に達したときで、太陽は真東から昇って真西に沈み、春分と同じく昼夜の長さがほぼ等しくなる。この後から夜が長くなり「秋の夜長」が実感されるようになる。

 

七十二候・花の七十二候

 

雷乃収声
<9月23日〜27日頃>

らいすなわちこえをおさむ
七十二候のひとつ。わが国では特殊な場所を除いて、秋分の頃には雷が轟くことはないとされている。初秋のうちは、秋の長雨にともなう雷がしばしば天地を轟かすが、この頃はゴロゴロとつぶやきにも近い雷音とともに、突然、稲妻が光る。夏の名残の雷も去って本格的な秋が訪れる。その夜は澄んだ空気のなかで、草そよぎ虫の音が月夜に冴える。

 

 

石蒜可観
<9月23日〜27日頃>

ひがんばなみるにかなう
花の七十二候のひとつ。開花時期は9月中旬頃〜9月下旬頃。原産地は中国。古くから日本全国の路傍、山野などで見られる。曼珠沙華とも呼ばれているが、「法華経」にある「摩訶曼荼羅華 曼珠沙華」からつけられたといわれ、「マンジュシャゲ」は梵語で、赤い花で天界の花の意とされている。この花を見る者は、おのずから悪業を離れるといわれている。

 


 

蟄虫坏戸
<9月28日〜10月2日頃>

ちつちゅうこをはいす
七十二候のひとつ。虫の声の妖しさ、美しさ、短い秋の虫たちは饗宴を開き、虫たちの素朴な歌声に思いを巡らし、人々はその宴をともにする。そして季節は確実に移ろい、しだいに虫たちの声もいつしか遠のく。夜は更け月の光は冴えわたり、あれほど興じていた虫たちは、あるものは命果てて地上に屍を晒し、あるものは穴に入り戸を閉ざす。秋の美しさ、はかなさのもつ悲喜哀楽の頃である。

 

 

野蓼蔽澤
<9月28日〜10月2日頃>

のだてさわをおおう
花の七十二候のひとつ。開花時期は7月中旬頃〜10月中旬頃。日本全土と北半球全域に分布。辛味がなく食べられない蓼の意味。「犬蓼」は茎が紅紫色をおび、葉には毛があり紅紫色の花をつける。一般的な蓼は、湿った草地や川の縁などに生えるタデ科の一年草。花は枝先に白緑色の小花を密生した長い花穂を出し、円柱形の花序にピンク色の花をまばらにつけ、萼には腺点が目立ち花弁はない。

 


 

水始涸
<10月3日〜7日頃>

みずはじめてかれる
七十二候のひとつ。水が涸れ始め、冬の渇水の兆しがこの頃から始まる。水田の水を干す頃でもあり、いよいよ収穫に備える時季でもあるが、季節の移ろいのなかで、しだいに水が涸れ始め、森羅万象生命つきるはかなさ、巡る季節の美しさ、尊さなど自然界を感覚的にとらえたい一候である。

 

 

薄穂靡風
<10月3日〜7日頃>

すすきのほかぜになびく
花の七十二候のひとつ。花穂の時期は8月下旬頃から10月下旬頃。秋の七草のひとつとされ、原産地は中国と日本である。中秋の満月には収穫物と一緒に供えられるが収穫物を悪霊から守り、翌年の豊作を祈願する意味がある。秋風になびくさまは、秋の風物詩として独特のわびしさを感じさせる。