二十四節気

 

寒露
<10月8日>

かんろ
二十四節気のひとつ。太陽暦では10月8日頃にあたる。露が冷たく寒く感じられる意で、露が凍りかけて霜にならんとすることを寒露といい、霜になったものを露霜という。

 

七十二候・花の七十二候

 

鴻雁来
<10月8日〜12日頃>

こうがんきたる
七十二候のひとつ。もの思う秋の夕暮れ、北方から雁は隊列を組んで飛来し、湖や池、沼などで冬を越す。その鳴き声はものの哀れを感じさせ、秋の到来したことを知らせてくれる。遠く離れた人への思慕をつのらせ、帰らぬ旅路にある自分と雁とを同化させ郷愁を抱かせる。過ぎ去った春を偲び、人生の来し方をも振り返り、万感の思いが込められる雁の飛来である。

 

 

石蕗輝黄
<10月8日〜12日頃>

つわぶききにかがやく
花の七十二候のひとつ。開花時期は10月上旬頃〜11月下旬頃。原産地は日本、中国。葉は蕗に似ていて、「つや」のある葉から「つやぶき」、それが変形して「つわぶき」となった。観賞用のほか、若葉をつみとって塩ゆでにするとおいしい。葉を火であぶったものは腫れ物や湿疹に薬効がある。「キャラブキ」や九州名産の「佃煮キャラブキ」は、この石蕗の葉っぱで作られる。

 


 

菊花開
<10月13日〜17日頃>

きくのはなひらく
七十二候のひとつ。夜が更けて下弦の月が上り、秋はいよいよ深くなる。もの音ひとつない夜更け、かすかな月の光にひっそりと夜露に濡れて野菊の花が咲いている。野に秋を語るには、可憐で気品のある野菊であろう。淡紫色の野紺菊、薄紫色の嫁菜菊、黄色の油菊、白色の山白菊とその種類は多い。栽培種は、もとは中国産で奈良末期から平安初期にかけて伝わったとされる。

 

 

桂花吹香
<10月13日〜17日頃>

もくせいかおりをふく
花の七十二候のひとつ。開花時期は9月下旬頃〜10月上旬頃。原産地は中国西南部。江戸時代初期の頃中国から渡来し、9月下旬か10月上旬頃のある日突然、金木犀の香りが始まり、とてもよい香りがする。咲いているあいだじゅう強い香りを放ち、かなり遠くからでも匂ってくるが、香りでは春の沈丁花、夏の梔子に並ぶ。咲いたあとで雨風があるとあっけなく散ってしまう。

 


 

蟋蟀在戸
<10月18日〜22日頃>

しつそくこにあり
七十二候のひとつ。霜の降りる夜半、リーリーリーとコオロギが鳴きはじめたが姿は見えない。窓辺や部屋の隅、庭、畑のいたるところから聞こえ、いつまでも鳴いている。目を移すと戸に止まっているのを見かけるが、瞬間、もうそこにはいない。つかの間のコオロギとの出会いのなかに、やがて戸外に霜の降りる音をきく。過ぎゆく秋の虫の音と忍び寄る冬の足音、巡る季節の情感を込めた一刻である。

 

 

菊花競咲
<10月18日〜22日頃>

きくのはなきそいさく
花の七十二候のひとつ。開花時期は10月中旬頃〜12月中旬頃。栽培菊はもともと中国産である。中国原産の菊は、唐代からそれ以前に中国中部の野生菊のチョウセンノギク(白または淡紅色)とシマンカンギク(黄はな)が自然交配してできた新種とされ、この新種から長い年月をかけて多くの品種が作り出され世界にひろまった。最も古くからある鑑賞植物で、日本には奈良時代末期から平安時代に渡来。