二十四節気

 

冬至
<12月22日>

とうじ
二十四節気のひとつ。太陽暦では12月22日、3日頃にあたる。北半球では、昼がもっとも短く夜がもっとも長い日であり、この日以後日脚が次第に延びてくるところから「一陽来福」と称した。民間では、この日に小豆粥や南瓜を食べたり、柚子風呂に入る週間がある。

 

七十二候・花の七十二候

 

乃東生
<12月22日〜26日頃>

だいとうしょうず
七十二候のひとつ。冬至に入り、草木のほとんどは枯れた姿を見せ、野辺は樹木の影ばかりが長く尾を引き、粛条とした冬の気配を見せている。おだやかな冬の陽がさす枯れ野には、緑の乃草だけがひっそりと芽立っている。乃草は「夏枯草」のことであり「ウツボ草」ともいい「夏至」の初候「乃草枯る」に対応する。乃草は古くから民間薬草として、利尿、消炎剤に用いられたという。

 

 

枇杷寂咲
<12月22日〜26日頃>

びわさびしくさく
花の七十二候のひとつ。開花時期は11月上旬頃〜12月下旬頃。原産地は中国。「ビワ」の名は漢名の「枇杷」の音読みで、漢名は果実の形が楽器の琵琶に似ていることからとも、葉の形がそれに似ているからともいわれている。花は地味なもので黄白色の香りのある小さい五弁花を開き、翌年の6〜7月ころ黄熟する。日本へは奈良時代から平安時代に伝わったと考えられる。

 


 

麋角解
<12月27日〜31日頃>

びかくげす
七十二候のひとつ。「麋」は「水牛に似る一種の鹿。なれ鹿。麋角はなれ鹿の角。「なれ鹿」とは、大型の鹿のことである。雄鹿が角を落とすのは、通常四月から七月にかけてであるが、とくに大きな鹿は、遅くなってこの頃とされるのか。鹿は、古来狩猟獣の代表であり、秋を代表する動物で、秋の交尾期になると、雌を求める牡鹿の鳴き声には哀愁があって、歌人の詩情をそそり、多くの歌が詠まれている。

 

 

茶梅僅開
<12月27日〜31日頃>

さざんかわずかにひらく
花の七十二候のひとつ。開花時期は10月上旬から翌年2月上旬頃。日本の特産で、葉はツバキより小型、花は白、紅、絞りなどの五弁花をつけ、果実は倒卵状の球形で、種子からは油をとり椿油と同様に用いる。花の少ない晩秋から初冬にかけて咲き出し、長い間咲き続け、正月を過ぎても楽しめる。読みは「山茶花」「茶山花」が「さざんか」と変化したらしい。花はとてもいい香りで一枚ごと散る。

 


 

雪下出麦
<1月1日〜4日頃>

せっかむぎをいだす
七十二候のひとつ。麦まきは、関東では太陽暦の10月、関西、九州では11月である。年を越えると針のような芽を出し、葉もかなりのびてくる。麦の徒長を抑えるのか、雪の下の常温が麦の芽を守るのか、麦に降り積む雪は、天の恵みである。静かに麦の生育を見守る時季である。古歌には見えないが、芭蕉の句には、「麦生えてよき隠れ家や畠村(笈日記)」がある。

 

 

水仙鮮香
<1月1日〜4日頃>

すいせんあざやかにかおる
花の七十二候のひとつ。開花時期は12月中旬〜翌年4月中旬頃。原産地は、スペイン、ポルトガル、北アフリカ。原種として約50種ある。わが国には、平安時代末期に中国を経由して渡来したと思われる。葉は地下の鱗茎から群生し、先が鋭く尖っている。直立した茎に、白い花弁、黄色い服花冠の花を開く。一重、八重咲きがあり、花の形から「金盞銀台」の名もある。