二十四節気

 

大雪
<12月7日>

たいせつ
二十四節気のひとつ。太陽暦では12月7日頃にあたる。大陸の高気圧が張り出して強まり、完全な冬型となって寒気が増してくる。

 

七十二候・花の七十二候

 

閉塞成冬
<12月7日〜11日頃>

へいそくしてふゆとなる
七十二候のひとつ。木枯しが吹き抜けた後、天も地も陽気が塞がり、森羅万象、真冬の時季を告げる。人々は寒を避け、戸を閉ざして家にこもる。これまでは戸外に出て自然との触れあいの中でその時季を感じていたのが、ひとつ区切りをつけて家に入り、炉端の暖をとるようになる。暮らしはすっかり冬支度、窓から見える枯れ野は佇み静寂が残る。

 

 

山茶咲拒
<12月7日〜11日頃>

つばきさくことをこばまず
花の七十二候のひとつ。開花時期は12月上旬〜3月上旬頃。藪椿は日本特産で一般に椿といえば藪椿を指すようである。一重や八重があり園芸種は多数あり、「侘助」などのいろいろな種類がある。『古事記』では〝都婆岐〟、『日本書紀』には〝海石榴〟の字で表現されている。〝椿〟の文字は『万葉集』で初めて登場し、八首詠まれている。

 


 

熊蟄穴
<12月12日〜16日頃>

くまあなにちつす
七十二候のひとつ。熊をはじめ動物たちは樹木の穴や洞窟などに籠もり、冬眠をはじめる時季である。鈴木牧之の『北越雪譜』によれば「そもそも熊は百獣の王。猛くして義を知る。菓実の皮、虫のるゐを食して同類の獣を喰わず。田圃を荒らさず、稀に荒らすのは食の尽きたる時なり」と熊に好意的であるが、最近、熊が頻繁に里に出没するのは、山の木の実や樹皮が少なく、食に尽きたということであろうか。自然破壊の影響は、すでに深刻である。この頃、都会では初雪が降る時季である。

 

 

南天映燭
<12月12日〜16日頃>

なんてんあかりにはえる
花の七十二候のひとつ。開花時期は6月中旬頃〜7月上旬頃であるが、実のなる時期は10月〜12月頃で、赤い実をつける。原産地は中国、日本。中国では山東省から貴州省にかけて分布し、日本では本州の中部以南の暖地に自生しているが、普通は人家の庭に栽培されている。葉は羽状複葉、花は比較的地味な白いもの。真ん中は黄色。漢名の「南天竺」「南天燭」を略して「南天」。独自の和名があってもよさそうだが、江戸時代の本草や園芸書にも「ナンテン」の名が使われている。

 


 

鱖魚群
<12月17日〜21日頃>

けつぎょむらがる
七十二候のひとつ。河を回帰してくるサケは、平均60〜70センチに成長し、背鰭をすり合うばかりに群れて壮観の一語に尽きる。この産卵のための遡上は、サケの命を賭けた死闘でもある。アイヌの人々は、産卵に帰ってきたサケを「神の魚(カムイチンプ)」と呼び、大切にしたという。サケは祭神の料として古くから文献に現れ、海からしか塩の採れないわが国では、鯖、鰹などとともに塩引き、鮨などの形で、人々とともに沿岸から内陸に入り込み、ここに「塩の道」ができあがったのであろう。

 

 

木瓜紅華
<12月17日〜21日頃>

ぼけあかくはなやぐ
花の七十二候のひとつ。開花時期は11月下旬頃〜4月中旬頃。中国原産で「木瓜」と書くのは、果実を小瓜と見たからと思われる。11月下旬頃から咲き出す花は、「寒木瓜」と呼ばれ、これと春に咲くものとに分かれる。「木瓜」を「もっけ」と呼んでいたのが次第に「もけ」から「ぼけ」になったと思われる。花の色は、赤、白、ピンクなどがあり、五弁花を咲かせる。枝にはトゲがあり、花はやや香る。果実は、球形の桃の似た実で黄色に熟し、直径7㎝くらいの大きさになるものもある。