二十四節気

 

小雪
<11月22日>

しょうせつ
二十四節気のひとつ。太陽暦の11月22日頃にあたる。この頃雪が降るのは北日本の山沿いの地方だけで、ほとんどの地方では、雪もなく寒さもそれほどではない。

 

七十二候・花の七十二候

 

虹蔵不見
<11月22日〜26日頃>

にじかくれてみえず
七十二候のひとつ。虹の出る天候は、強い陽射しとやさしい雨滴である。立夏のやや前「清明」の頃、近づく夏の足音を聞く思いを「虹始めて現る」としている。その時季と対照的にこの頃冬の気配がはっきりと現れ、陽射しも弱く空気も乾燥して虹が出る気象条件ではない。見えない虹を語る「虹かくれて見えず」の表現は、この時季が乾燥期であり、ただ単に、本格的な冬の前哨を告げていると捉えたい。

 

 

茶花気吐
<11月22日〜26日頃>

ちゃのはなきをはく
花の七十二候のひとつ。開花時期は10月上旬〜11月下旬頃。白い花をやや下向きに咲かせ、枝の途中の葉柄基部からひとつずつ咲く。椿や山茶花の仲間であるが、花弁が抱え込むように開く。原産地は中国南部とされているが、確かなことはわかっていない。中国や日本で栽培されているものは1m以下に刈り込まれているが、インド、スリランカなどで栽培されている8〜15mにも達する高木でアッサムという変種もある。

 


 

朔風払葉
<11月27日〜12月1日頃>

さくふうはをはらふ
七十二候のひとつ。「朔風」は北風のこと。冬の北西季節風で、大陸からの強い寒気が発生したとき、この吹き出しを木枯しという。「こがらしといへる風あり、冬の初めに木の葉を吹き散らす風なり」と『俊頼髄脳』にあるが、木枯しは必ずしも冬とは限定できない。秋の末から冬にかけて吹く冷たい風である。落ち葉が歩道を駆ける夜、コートの襟を立て寒風に追われて帰路を急ぐ。枯葉は、浮きもせず止まりもせず、低く足もとを通り抜け、駆け抜けていく。

 

 

紫式部実
<11月27日〜12月1日頃>

むらさきしきぶみとなる
花の七十二候のひとつ。開花時期は6月〜7月頃で、最盛期は7月であるが、秋から冬にかけて、上品な実が庭に彩りを添える。長い裸の枝に宝石を散りばめたような濃い紫のつややかな実は、ひときわ可愛くて美しい。原産地は東アジア。ムラサキシキブは、日本の山野などに広く自生しているが、庭木としても鑑賞されている。6月頃に先が4つに裂けた釣り鐘のような形をしたフジ色の可愛い花をつけるが、花よりも枝につく濃い紫色の実だけが残るのを主に鑑賞する。

 


 

橘始黄
<12月2日〜6日頃>

たちばなはじめてきなり
七十二候のひとつ。「タチバナ」はミカン科の常緑小高木を総称とする。タチバナ、ユズなどは日本原産とされ、その他のミカン類の多くは輸入種である。タチバナの実は、今のミカンとはほど遠く、平べったくて、酸っぱくほろ苦い。実もさることながら、花橘として、その香り高い花とその端正な形にこそ「不老長寿の霊薬」としてふさわしい。蕭条とした冬の枯れ野の中、濃緑の葉陰にひっそりと黄色に色づく姿は、冬至るの思いを強くする。

 

 

吉祥群咲
<12月2日〜6日頃>

きちじょうそうむれてさく
花の七十二候のひとつ。開花時期は11月上旬〜12月中旬頃、原産地は中国、日本(本州以南)。やや湿り気のある場所に植えられ、庭木の下などに植えられてグランドカバーとして愛されている。ツゲ科の「富貴草」も「吉祥草」と呼ばれることがあるが、別種である。背丈は20㎝ほどで可愛らしいピンク、薄紫色の花を咲かせ、その後濃い紅色の実をつける。この花が咲くと、その家に吉事があるとされていることから「吉祥草」と呼ばれている。