二十四節気

 

霜降
<10月23日>

そうこう
二十四節気のひとつ。太陽暦では10月23日頃にあたる。露が結んで霜となる頃で、いっそう寒さが増し、いよいよ冬近しの感じが強くなる。

 

七十二候・花の七十二候

 

霜始降
<10月23日〜27日頃>

しもはじめてふる
七十二候のひとつ。間近にせまる冬の訪れを肌で感じ、火の暖かさが恋しくなる。早々と寝につく。こんな夜を重ねる翌日、朝早く目覚め窓を開けると外は真っ白、秋の終わりを告げる初霜である。霜は、空飛ぶ雁の翼を漏れて降るともいい、霜の白さをたとえて「老いの白髪」をいう例もあり、霜夜の寒さは格別である。いよいよ本格的な冬支度を整えていくことになる。

 

 

鶏頭如酔
<10月23日〜27日頃>

けいとうようごとし
花の七十二候のひとつ。開花時期は8月上旬頃から12月下旬頃。インド、熱帯アジア原産。夏から秋にかけて、赤色、桃色、黄色などの花穂をだす。その形状がニワトリの鶏冠に似ていることからこの名がついた。漢名の鶏頭、鶏冠花も同様である。日本へは、古く奈良朝時代に中国から渡来したもので、『万葉集』には、カラアイ(韓藍鶏冠草)の名で四首が詠まれている。

 


 

霎時施
<10月28日〜11月1日頃>

しぐれときどきほどこす
七十二候のひとつ。「秋の雨」は三秋にわたって降る雨で「蕭条と降る冷たい雨」とされるが、ここでの雨は、その字の通り「時雨」であろう。「時雨は、去りゆく秋のうしろ髪か、忍び寄る冬の足音か」の言葉がまさに正鵠を得たいい方で、その忌を「時雨忌」とされる芭蕉の句「旅人とわが名呼ばれる初時雨」こそ、この候の解であろう。

 

 

蘆穂綿飄
<10月28日〜11月1日頃>

あしのほわたかぜにただよう
花の七十二候のひとつ。9月から10月頃にかけて円錐形の花穂を出し、小穂はほぼ5個の小花からなり紫色を帯びている。根は漢方薬になる。茎の中は空洞になっている。葉や花穂が片側に傾くものもあり「片葉の葦」「蘆」「葭」とも書く。「難波草」「浜萩」など、地方によって呼び名が異なり、〝難波の葦、伊勢の浜萩〟などという。

 


 

楓蔦黄
<11月2日〜6日頃>

ふうかつきなり
七十二候のひとつ。止んではまた降る雨の滴に濡れて、楓や蔦も黄色に橙紅色に日に日に変わり、その色はますます鮮やかに冴えてくる。この樹葉の変化を「紅葉」という。「雪・月・花」「時鳥」に「紅葉」を加えて、連俳では「五個の景物」と呼んでいる。山々は錦のように染め上げられ見事な景観を作る。「春の桜、秋の紅葉」は日本人の美意識のシンボルとして、古今東西その比をみない。

 

 

藤色袴穿
<11月2日〜6日頃>

ふじいろのはかまをはく
花の七十二候のひとつ。開花時期は10月上旬頃〜11月下旬頃。原産地は日本、朝鮮半島、中国。漢名は「蘭草」といい古歌に「ラニの花」とあるのはこれを指し、蘭をラニと呼んだものである。秋の七草のひとつで、小さいピンク色の花がたくさん咲く。花の色が藤色で、花弁の形が袴のようであることから藤袴と呼ばれる。淡紅紫、白色などの花色もある。日本では、関東以西に分布している。