二十四節気

 

芒種
<6月6日>

ぼうしゅ
二十四節気のひとつ。太陽暦で6月6日頃にあたる。稲・麦などの芒のある穀物を播種する時期を指す。田植えもこの日あたりから始まり、農家も何かと気忙しくなり始める。

 

七十二候・花の七十二候

 

蟷螂生
<6月6日〜10日頃>

とうろうしょうず
七十二候のひとつ。渋紙を揉んだような形の枯れ枝の皮とも見間違う殻を破って、小さなカマキリが幾十となく続々と現れ出て樹上に、あるいは地上に墜ちる。首をぐるぐる廻して鎌をふりかざす姿は、小なりといえどもいっぱしのカマキリの成虫の姿であり他の昆虫のように変態過程はない。百匹も突然巣立ちするところは、ちょっと目をみはらせるが蟻や蜥蜴の餌食となって、生き残るのは何匹か。

 

 

梔子吹香
<6月6日〜10日頃>

くちなしかおりをふく
花の七十二候のひとつ。開花時期は5月下旬頃〜7月下旬頃。「梔子」の漢字は漢名に由来し、中国の徳利(とっくり・梔という名の酒器)のかたちに似ていることからつけられたといわれている。梔子は日本特産で、本州の中南部から四国、九州にかけて野生もあるが、多くは鑑賞植物として栽培されている。楠、ユーカリといった樹木に匹敵する大気浄化作用を持ち、大気汚染物質を吸収する能力が高い。

 


 

腐草為螢
<6月11日〜15日頃>

ふそうほたるとなる
七十二候のひとつ。腐った草が蛍になるという意。雨の日、川の中から幼虫が岸に上がって濡れた枯れ葉や草の下にもぐり込み成虫となる。昼間はじっと静止したままで、照度が下がり薄暗くなる黄昏時に光りはじめ飛び立つ。蛍が舞う宵には雨が降り始め、湿った枯れ草に水滴が光る。いよいよ梅雨の季節である。

 

 

泰山木盃
<6月11日〜15日頃>

たいさんぼくさかずきとなる
花の七十二候のひとつ。開花時期は6月上旬頃〜7月中旬頃。北アメリカ中南部の原産で明治初期に日本へ渡来。明治12年に米国、グラント将軍の来日を記念に植え、当日は明治天皇も行幸されて「犬追物」を見せられたという。大きく白いカップ形の花が咲き、シトラス系の芳香がありさわやかな気分にさせてくれる。

 


 

梅子黄
<6月16日〜20日頃>

うめのみきなり
七十二候のひとつ。水をたっぷり含んだ草木が生い繁るなかで、実は青々と太くなってしまり、次第に黄味をおびてくる。梅雨という言葉は、陰暦の五月雨の頃に梅が熟すのでこう呼ぶ。黄色く熟したものは「実梅」というが、梅の用途が青いうちに多くあるので「青梅」が言葉としては正当であるかもしれない。

 

 

麗春園満
<6月16日〜20日頃>

ひなげしそのにみちる
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月上旬頃〜6月中旬頃。早咲き遅咲きがあり、原産はヨーロッパ東部。日本には室町時代、天保年間(1830〜1843)にインドから大阪地方に伝わったとされているが、この花の実のケシの種子は、仏教では邪気退散の護摩に焚くことからすでに平安時代に渡来したと思われる。