二十四節気
小満
<5月21日>
しょうまん
二十四節気のひとつで。立夏の後の15日目。太陽暦では5月21日頃にあたる。時候としては、陽気盛んにして万物長じ、草木が茂り天地に満ちはじめる頃。
七十二候・花の七十二候
蚕起食桑
<5月21日〜25日頃>
かいこおこってくわをくらう
七十二候のひとつ。「蚕」は飼い蚕の意で、山蚕に対して飼育する蚕のことである。この季節に、食べもせず眠っていた蚕が目を覚まして、桑を食べ始め、食べてはまた眠り、眠ってはまた食べ幼虫となる。この毛蚕から熟蚕になるまで、人は不眠不休で桑を摘み、蚕はその桑を食べに食べて、繭づくりに入る。そんな養蚕風景もいまでは見られなくなってしまった。
空木映雪
<5月21日〜25日頃>
うつぎしろくはえる
花の七十二候のひとつ。開花時期は5月中旬頃〜6月中旬頃。陰暦4月の卯月から出て「うつぎ」という名で呼ばれ、卯月の髄(茎や根の中心にある部分)が空洞になっているので、「空ろ木」が変化して「空木」になったという説もある。材質は硬く、腐りにくい。昔から木くぎや神事のときの杵などに使われていた。見た目が雪のようであることから「雪見草」ともいう。
紅花栄
<5月26日〜30日頃>
こうかさかう
七十二候のひとつ。古くから花は染料、種子は口紅、頬紅の原料であったが今では女性の唇、肌に触れることもない。黄から紅に移り変わる華やいだ花姿は、『万葉集』に『古今和歌集』に「末摘花」として親しまれていた。『源氏物語』には、光源氏が朧月夜の琴の音に惹かれ末摘花姫と契るが翌朝、醜女だったと知るくだりがある。
素馨放香
<5月26日〜30日頃>
そけいかおりをはなつ
花の七十二候のひとつ。開花時期は5月上旬頃〜5月下旬頃。インド、イラン、アラビア地方が原産である。常緑低木、葉は対生し羽状複葉。よく見かけるのは「羽衣ジャスミン」で色は白く、とてもよい香りがする。日本へは慶長(1596〜1615)年間に渡来していた。フィリピンでは「サンバギータ」と呼んで国花としている。
麦秋至
<5月31日〜6月5日頃>
ばくしゅういたる
七十二候のひとつ。青い空と新緑にかこまれ、風わたり黄金色の穂が波打つ麦畑。麦が黄熟するのは5月中旬から7月にかけて。どことなく異国情緒のする風景ではあるが麦は『古事記』、『万葉集』にも出てくる。初夏なのに実りの秋「麦秋」と詠うのは、日本人の精神の豊かさか、はっきりした季節の区分、四季折々を知るからであろうか。
栴檀紫羽
<5月31日〜6月5日頃>
せんだんむらさきにかざす
花の七十二候のひとつ。開花時期は5月下旬頃〜6月中旬頃。葉のつけ根に淡黄色の紫色の小さな花をつける。古名は「あふち」。和名の由来は、秋に楕円形の実が枝一面につき、落葉後も木に残るさまが数珠のようであることから「センダマ」(千珠)の意で命名された説と、たくさんの果実を団子に見立てて「千団子」と命名された説がある。