二十四節気

 

立夏
<5月5日>

りっか
二十四節気のひとつで夏のはじめの日。太陽が黄径45度に達する時である。太陽暦では5月5日頃にあたる。南北に長い日本の地勢では気候に差があり、この頃東北地方では桜が満開になることが多い。関西以西では、すっかり夏模様となり新緑の若葉のそよぎ、すがすがしい爽やかな風、やさし陽光に夏の到来を実感させられる。

 

七十二候・花の七十二候

 

鼃始鳴
<5月5日〜9日頃>

かえるはじめてなく
七十二候のひとつ。昼間は汗ばむほどになるが、肌寒い夜もある。散歩の途中、雨がポツリと顔に落ちてきた。空を見上げて立ち止まる。耳をかざせば、どこかで蛙が鳴いている。雨の予告かも知れない。蛙は山の神の使者とされ、知恵者として大国主神に仕えていたと伝えられていることからすれば、あり得ることかもしれない。

 

 

白桐迎夏
<5月5日〜9日頃>

きりなつをむかえる
花の七十二候のひとつ。開花時期は5月上旬頃〜5月下旬頃。朝鮮、中国から渡来したという説や、大分、宮崎の県境の山あるいは島根県の隠岐諸島に自生していたという説もある。紫色の筒状の花を木の上の方につけ、強い芳香がある。若い木の木膚は滑らかだが、老木になると縦にひび割れ、金庫の内張りなど幅広く利用される。

 


 

蚯蚓出
<5月10日〜14日頃>

きゅういんいずる
七十二候のひとつ。雨上がりの朝、夜中に這い出してきたのか庭土の上に明るい陽射しを受けて蚯蚓たちがここ、あそこにノロノロとうごめいている。土を食べ土壌を耕す益虫である。葉かげ、草かげ、土中に身を隠しておけばよいものを、雀や蟻の餌食になるか強い陽射しのもとで干からびてしまう。

 

 

文目花賞
<5月10日〜14日頃>

あやめはなをしょうす
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月下旬頃〜6月中旬頃。剣形の葉がきちんと並んで生える葉の様子から、文目(筋道、模様の意)の名がついたといわれる。花弁の基の黄色部分の縞模様を綾目の字で表現した。この文目の花は、別種である「菖蒲」と表現され、「あやめ」と詠むこともある。

 


 

竹笋生
<5月15日〜20日頃>

ちくかんしょうず
七十二候のひとつ。初夏とはいえ底冷えのする朝、竹林に向かって散策する。晴れていた空は曇り音もなく小雨が降り出してきた。春に散り落ちた笹の枯れ葉を踏みしめ、その音に得心しながら竹林を歩む。近くで郭公鳥が鳴いている。目を凝らすと、土を突き上げ筍がのぞいている。五月雨の散策は竹林に限る。

 

 

紫藤飾林
<5月15日〜20日頃>

やまふじはやしをかざる
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月中旬頃〜5月下旬頃。原産地は日本、中国、北アメリカで、ノフジとヤマフジの二種類がある。花の色は淡紫、藤色、白色で幹の方から先端に向かって咲き進む。花は甘い香りがあって、松は男性、藤は女性の象徴。松にかかる藤をもって「男女の和合」を表している。