二十四節気

 

穀雨
<4月20日>

こくう
二十四節気のひとつ。春の季節の最後、太陽暦では4月20日頃にあたる。この頃、局部的におきる小低気圧の影響で、しとしとと細かい雨が降り続いたりする。穀物を育てる雨という意味で、草木の芽を育て、花を咲かせる。

 

七十二候・花の七十二候

 

葭始生
<4月20日〜24日頃>

よしはじめてしょうず
七十二候のひとつ。葭は蘆(葦)と同じでイネ科の多年草であるが、「あし」の音が「悪」を連想されるのを嫌って「葭」とも呼んだ。日本国の古称では葦原の国、葦原の中つ国と呼び古代からなじみ深く、全国各地の水辺に葦原が見られる。雨が多く水資源に恵まれ、五穀豊穣の国を象徴した晩春の風景である。

 

 

花水木賑
<4月20日〜24日頃>

はなみずきにぎわう
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月上旬頃〜5月中旬頃。北アメリカ原産。水木の仲間で、花をつけるのでこの名前になった。秋の紅葉と赤い実は見事。1915(大正4)年に、東京市長の尾崎行雄氏がアメリカのワシントン市へ桜を寄贈した返礼として贈られた。とくに東京都下の神代植物公園の花水木は見事である。

 


 

霜止出苗
<4月25日〜29日頃>

しもやんでなえいず
七十二候のひとつ。晩春、暖かな日が続いたあと急に気温が低下して降る霜を、「忘れ霜」「別れ霜」「名残の霜」などと俳句の季語として詠まれている。「八十八夜の別れ霜」といわれるように、88日目の夜に霜が降り、その後は、降らないとされている。このことを知っているのか、苗代に顔を出した早苗を見て、畔道の花たちは蕾を開く。

 

 

牡丹華麗
<4月25日〜29日頃>

ぼたんかれいなり
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月下旬頃〜5月上旬頃。中国北西部原産。日本へは奈良時代に渡来してきたらしい。漢名牡丹の音読みである。これは当時の渤海国から輸入されたからともいわれ、『出雲国風土記』にも記されている。古歌にも富貴草とあるのは牡丹(ふかみぐさ)のことで、その花の福々しさを表したものである。

 


 

牡丹華
<4月30日〜5月4日頃>

ぼたんはなさく
七十二候のひとつ。牡丹は中国原産、平安時代に渡来。俳句の季語では夏に入っているが春爛漫に咲き誇り、春の終わりに散るほうが相応しい。花は重く崩れるように散る。咲いているときは、命の限りをつくすかに見え華麗に咲く。それだけに春の逝く日に散ることこそ、咲き誇っていた華やぎを感じさせてくれる。

 

 

躑躅照天
<4月30日〜5月4日頃>

つつじてんをてらす
花の七十二候のひとつ。開花時期は4月下旬頃〜5月中旬頃。漢名の「躑躅」は、物のうずくまっている形でツツジの形態を表したもの。躑躅は種類が多く野生しているものだけでもヤマツツジ、レンゲツツジ、ツバツツジ、アカヤシオ、モチツツジ、ヒラトツツジミ、ヤマキリシマ、ヒカゲツツジなど20種以上もある。