二十四節気

 

春分
<3月21日>

しゅんぶん
二十四節気のひとつ。太陽の黄経が零度となり、太陽が真東から昇って真西に沈む日で、昼と夜の長さがほぼ等しくなる。「彼岸中日」と重なり、太陽暦では3月21日にあたる。自然をたたえ、生物を慈しむ日とされている。

 

七十二候・花の七十二候

 

雀始巣
<3月21日〜25日頃>

すずめはじめてすくう
七十二候のひとつ。あまりにも人間の生活に身近な雀である。冬の枯れ草や藁を啄みくわえて、屋根から石礫のように下り落ちて瞬時はためらい、右に左にピョンピョン跳び歩き、少しもじっとしていない。人を警戒もせず、チュンチュンと囀りやまず、時にはうるさく時には可愛らしく、飛び去るかと思えばまた戻る、愛すべき雀である。

 

 

李花如雪
<3月21日〜25日頃>

すもものはなゆきのごとし
花の七十二候のひとつ。開花時期は3月下旬頃〜4月中旬頃。中国原産。『日本書紀』によると、推古天皇(592〜628)のころに渡来し「桃李草」の記述がある。実の酸味が強いことから「酢桃」になり、それが漢名の「李」の音読みになった。梅が終わってから桜が咲き出す寸前という頃に、五弁の白い花が咲き、実は「スモモ」になる。

 


 

桜始開
<3月26日〜30日頃>

さくらはじめてひらく
七十二候のひとつ。桜は古来、日本人の心の象徴として賞美されてきている。桜を詠んだ最初は『日本書紀』で、以来、日本の花の代表とされ国花でもある。桜前線の北上とともに、花見の行楽、朝桜、夕桜、夜桜、雨が降っても晴れても、薄紅白色の華麗な花は美しい。とくに潔い散りぎわは、花に託した人生への儚さを思わせる。

 

 

碧桃競発
<3月26日〜30日頃>

やえのももきそいひらく
花の七十二候のひとつ。開花時期は3月中旬頃〜4月中旬頃。中国が原産。3月3日の「桃の節句」にひな人形のとなりに添えるが、これは温室内で育てた桃で、屋外の開花はもう少しあとになってからである。枝に沿ってびっしりと花をつけ、幹には横線が入っている。実が赤いところから「もえみ」が変化して「もも」になったらしい。

 


 

雷乃発声
<3月31日〜4月4日頃>

らいすなわちこえをはっす
七十二候のひとつ。雷は季節を通して発生するが、立春過ぎて発生する雷を「春雷」といい、啓蟄の頃の雷を「虫だしの雷」という。春眠を楽しんでいる夜明けや、寝静まった深夜に、一声、二声「ゴロゴロ、ピカッ」で止むことが多い。夏の雷のような激しさはなく、どこかやさしい「春の雷」は、遠くに聞く夏の足音であろうか。

 

 

桜花始開
<3月31日〜4月4日頃>

さくらのはなはじめてひらく
花の七十二候のひとつ。開花時期は3月下頃〜4月中旬頃(染井吉野)。日本原産。気象庁が三月に、全国の桜の開花前線予想を発表し、1日の平均気温が約10度を越えたら開花。開花宣言は各地の標本木の咲きぐあいをもとに出され、見頃は1週間ぐらい後とされる。日本の国花は、桜(厳密には「山桜」)と菊の2つとされている。