二十四節気

 

雨水
<2月19日>

うすい
二十四節気のひとつ。太陰暦正月立春の後の15日目。太陽暦では2月19日頃にあたる。時候としては「気雪散じて水と為る」つまり降る雪が雨に変わり、積もった雪が解けて土が潤いはじめる頃である。

 

七十二候・花の七十二候

 

土脈潤起
<2月19日〜23日頃>

どみゃくうるおいおこる
七十二候のひとつ。堅く凍りついた大地も、初春の訪れとともに解けて緩んでくる。「凍解」という。晴天の昼は暖かくても、夜はまだ寒く大地、地脈は凍る。そんな寒さがつづいたある朝、足下の凍土はやさしく湿り解け、水蒸気が微かに低く漂う情景に出会う。大地の柔らかな温もりと土の香りは、確かな春到来を告げる。

 

 

瑞香伝芳
<2月19日〜23日頃>

じんちょうげかおりをつたう
花の七十二候のひとつ。開花時期は3月上旬頃〜3月下旬頃。中国原産。漢名は「瑞香」という。日本へは江戸時代に渡来したらしく『草木錦葉集』に記載されている。花芽は前年の12月頃からできているが咲き出すまで3ヵ月ほどそのまま過ごす。ふつう花の外側はピンクで内側は白いが、外側、内側ともに白い種類もある。

 


 

霞始靆
<2月24日〜28日頃>(平年)

かすみはじめてたなびく
七十二候のひとつ。春麗らかなるにつれ水蒸気が山野にたちこめ、山々がぼんやりとかすみ、姿を隠しはっきりとは見えない。湿潤でほのかな霞たなびく風景、とくに、霞のなかで陽の光を受けて、ほんのり薄赤く見える朝焼け夕焼けに人々はこころ惹かれ、古く万葉の時代から〈春は霞、秋は霧〉と、多くの歌に詠まれている。

 

 

金蓮貼地
<2月24日〜28日頃>(平年)

ふくじゅそうちにはる
花の七十二候のひとつ。開花時期は2月上旬頃〜3月中旬頃。正月に花屋で売られているものはハウス栽培されたもの。花芽は晩秋にでき、その後約1ヵ月間寒さにあわせて室内にとりこんでおくと正月に咲くが、ふつう咲き出すのは2月頃からで、黄金色の見事な色の花。花が終わる頃、人参の葉のような、細かい葉が出てきて一面に広がる。

 


 

草木萌動
<3月1日〜5日頃>

そうもくきざしうごく
七十二候のひとつ。いつの間にか名の知らない草木の若芽が萌え出て、冬枯れの野山にもやっと春の兆しが現れる。若草の香り、大地の息吹の中を、厳しい冬を経て春を迎えた嬉しさを噛みしめながら歩く。暖かい陽射し、やさしい春雨に育まれ、草木の若芽は、次第に瑞々しい浅緑から色を濃くし、本格的な春へと深まっていく。

 

 

垂柳漸緑
<3月1日〜5日頃>

しだれやなぎようやくみどりなり
花の七十二候のひとつ。北半球の温帯に分布し、中国原産で日本には、奈良時代に渡来した。中国ではこの木で矢を作ったので「矢の木」といい、「やのき」が「やなぎ」へと変化した。枝垂柳は早春に芽を出し、やがて若葉が青々と伸びるので青柳という。葉だけを見ると「川柳」に似ているが、枝がしだれるので区別できる。